椅子の中の椅子と呼ばれたウェグナーの作品

椅子の中の椅子と呼ばれたウェグナーの作品

椅子の中の椅子と呼ばれたウェグナーの作品

生活が豊かになると『物』は『形』に変化します。

分かりやすい例を上げると、それまでただ、座るためだけの切り株だった『物』は、人の手によって細工が加えられ、椅子という『形』になります。

19世紀の終末まで『形』は富裕層のためだけのものでした。

『物』のすべてを『形』にするためには、手作業で行わなければならず、少量生産で価格が高騰してしまうことが原因ですね。

商品の工業化という20世紀初頭の流れは、庶民の『物』を『形』に変える時代であり、『形』とはどうあるべきか、と提唱したのがモダニズムであり、北欧の家具デザイナーはそれに応えました。

たとえばハンス・J・ウェグナーが作ったザ・チェア。

4本の脚と座面、背凭れがすべて木材だけで作られ、座面には革張りのクッションを張っただけの超シンプルな椅子ですが、背凭れ、脚、座面、肘掛けにいたるまで、どの部分を見ても直線がまったくありません。

装飾を徹底的に排除したデザインであり、ムダがまったくないスタイルは究極のプロポーションを誇っています。

なかでも背凭れと肘掛けを接合している部分はフィンガージョイントと呼ばれ、その繋ぎ目の美しさがこの椅子の名声を高めています。

この椅子、1950年に発表されましたが、当時はあまりにシンプルすぎて『みにくいアヒルの子』と揶揄されていましたが、その後、1960年の大統領選公開討論会でリチャード・ニクソンとジョン・F・ケネディがこの椅子に座っていたことがTV中継され、世界的に注目を集めました。

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