アールトの椅子をスタンダードとして

アールトの椅子をスタンダードとして

アールトの椅子をスタンダードとして

発表から85年を経てなお、一流品としての輝きを放つアールトの椅子ですが、もし、彼が問うた規格化の概念がなければ、アールトの椅子は芸術品としての価値しか残らなかったでしょう。

アールトの椅子は芸術品ではなく工業製品です。

芸術品は創作する本人にしか作れませんが、工業製品は正しい製造方法に従えば誰でも作ることが可能です。

もっとも、アールトの椅子だけでなく、一流品と呼ばれる工業製品の多くは正しい製造方法を行うための熟練した技が必要ですが、それでも作っているのは製造方法をマスターした職人であり、アールト本人ではありません。

工業化における規格化、つまり相互運用のために合意されたガイドラインがあったからこそ、今なお、アールトの椅子は工業製品として生産されているのです。

アールトの椅子は工業製品としてのデザインだけでなく、その規格化にも大きな影響を与え、北欧家具は以後、独自の技術による伝統的工芸品ではなく、規格化によって生み出された工業製品として世界的に愛される一流家具になりました。

工業製品において規格化は狭義に考えられ、標準化とも取られます。

アールトの椅子がスタンダードだとしたら、それ以上の椅子を作り出すことで商品の価値が上がるわけですから、確かに北欧の工業デザイナーや製造元には激しい競争原理が働いたことでしょう。

北欧家具が一流品として認められるまでには、この競争原理が大きく働いていたのです。

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